※本記事最後に追加レビュー有りです※
ガスハンドガンは、そのリアルな操作感とブローバックの迫力で多くのエアソフトユーザーを魅了しています。さらに、性能向上を目指してカスタムを施すのも大きな楽しみの一つですよね?
中でも「インナーバレル交換」は、初速や命中精度に直結すると言われ、カスタムの定番としてよく耳にするでしょう。しかし、本当に社外品インナーバレルに交換する「意味」はあるのでしょうか?「劇的に変わる!」という声もあれば、「ほとんど変わらない」という意見も聞かれます。
エアガンのインナーバレルは、BB弾を加速させ、直進性を保つための重要な部品として認識されています 。多くのユーザーは、インナーバレルを交換することで、より高い命中精度が得られると期待しがちです。しかし、一部の専門家の見解では、高精度なインナーバレルに交換しても、一般的なサバイバルゲーム程度での命中精度は「誤差程度しか変わらない」と指摘されています 。この見方は、インナーバレルがBB弾の「加速装置」としての役割が主であり、精密な「照準器」としての効果は限定的であるという、一般的な認識との間に乖離があることを示唆しています。
このブログでは、腕や銃性能にかなり依存する命中制度より、数字ですぐ分かる「加速装置」としてのインナーバレルをノーマルと比較してみようと思います。
更新頻度がかなり低く、ネタに乏しいから簡単なネタでつなごう!ってわけではございませんwww
目次
社外品インナーバレル交換で得られる「意味」:期待できるメリット
社外品インナーバレルへの交換は、純正品よりも高精度なバレルが用意されており、主に以下の性能向上が期待できます 。
初速アップのメカニズムと実例
社外品のインナーバレル、特に内径が純正よりも狭い「タイトボアバレル」に交換することで、BB弾とバレルの間の空気の逃げる隙間を減らすことができます。これにより、発射時の空気やガスのロスが減少し、BB弾にかかる空気圧が高いまま維持されるため、初速が向上します 。
実際の検証データでは、具体的な初速向上が報告されています。例えば、SIG SAUER P226 E2のカスタムでは、交換前に比べ3.14m/s、約4.61%の初速アップが確認されました 。また、Lambda ONEバレルでは、純正から交換するだけで
約2.4m/s、別のテストでは約4m/sもの初速向上が見られた例もあります 。東京マルイMEUにライラクス製バレルを装着したところ、
約1m/sの初速アップが報告されています 。さらに、KM企画TNバレルでは純正比で+1.87m/s、01バレルでは+7.31m/sと大幅な初速アップが記録されており、タイトバレル化が初速アップカスタムとして非常に有効であることが示唆されています 。
しかし、ガスブローバックガンはマガジン温度やBB弾の精度によって初速のばらつきが大きいため、2~3%程度の初速向上は誤差の範囲である可能性も指摘されています 。このことは、数値上の改善が必ずしも体感できるほどの大きな変化に繋がるとは限らないことを意味します。ユーザーがどの程度の性能向上を「意味がある」と感じるかは、その感度や使用環境に大きく依存すると言えるでしょう。
意味」を左右する要素:素材、長さ、加工技術
インナーバレルの性能は、単に交換するだけでなく、その素材、内径、長さ、そして加工技術によって大きく左右されます。
内径の種類と影響
インナーバレルの内径は、初速と集弾性に直接的な影響を与えます。
- タイトボア (内径が狭い):
- 特徴: 東京マルイの標準が6.08mmであるのに対し、6.01mmや6.05mmといった狭い内径のバレルです 。
- メリット: BB弾を押し出す際の空気のロスが少なく、空気圧を効率的にBB弾に伝えるため、初速が向上します。特に全長の短いエアガンに適しています 。
- デメリット: BB弾とのクリアランスが非常に狭くなるため、BB弾の製造上のバラつきや、バイオ弾が湿気を含むことでわずかに大きくなる場合など、弾詰まりを起こすリスクが高まります 。
- ルーズボア (内径が広い):
- 特徴: 標準的な6.08mmや、SPARK 飛鋭改の6.15mmのようなワイドボアも存在します 。
- メリット: バレル内部でBB弾が反射しにくく、安定した弾道が得られ、命中精度が向上するとされています 。
- デメリット: パワーロスが多く、初速を出すためにはより強力なスプリングやガス圧が必要になる場合があります 。
内径が狭いほど初速が上がりやすいという傾向はありますが、Lambda ONEバレルの一部のテストでは、同じ内径でも初速が向上した事例が報告されています 。これは、単に内径が狭いだけでなく、バレルの内壁の滑らかさや加工精度が、BB弾の抵抗を減らし、効率的な加速に寄与していることを示唆しています。つまり、粗悪なタイトボアバレルは摩擦が大きく、期待通りの性能が得られないばかりか、弾詰まりのリスクを高める可能性もあります。高品質なタイトボアバレルは、内径の数値だけでなく、その製造品質にこそ真価があると言えるでしょう。
素材の選び方と特性
インナーバレルの素材は、その耐久性、表面の滑らかさ、そして価格に影響を与えます。
- 真鍮 (Brass): 最も一般的な素材で、内面が滑らかでBB弾の加速に適しています。強度も高く丈夫です。高額なエアソフトガンに搭載されることが多いです 。
- ステンレス (Stainless Steel): 錆に強く、曲がりにくいため、高い精度を長期間保つことができます。最高級の純国産ステンレス材を使用した製品も存在します 。
- アルミ (Aluminum): 安価な海外製エアガンに採用されることがありますが、真鍮に比べて強度が劣り、変形しやすい傾向があります。しかし、近年の金属加工技術の向上により、真鍮バレル並みの高い精度を持つアルミバレルも登場しています 。
- プラスチック (Plastic): 強度が低く、弾の加速性能も劣るため、現在は安価なエアガンでもあまり見られなくなりました 。
比較開始!!
では早速比較していきましょう!
で被検体はこちら

東京マルイ ハイキャパ4.3 です。
現状仕様はサイトとアウターバレル以外はノールとなります。
で今回チョイスしたインナーバレルは
ユニコーンエアソフトの物になります。

インナーバレル比較:東京マルイ ハイキャパ4.3 純正 vs. ユニコーンエアソフト 97mm
項目 | 東京マルイ ハイキャパ4.3 純正インナーバレル | ユニコーンエアソフト GBBインナーバレル 97mm | 備考 |
長さ | 約94.5mm (※1) | 97mm | ユニコーンエアソフトの方が約2.5mm長い |
内径 | 6.08mm | 6.03mm | ユニコーンエアソフトの方がわずかにタイト |
素材 | 真鍮 | 真鍮 | |
表面処理 | なし (一般的な真鍮地) | テフロンコーティング | 滑らかなBB弾通過を促進 |
特徴 | 標準的な性能 | Vホップパッキンとの連携で性能向上を謳う | カスタム用途に特化 |
期待される効果 | 基本的な性能維持 | 初速の安定、集弾性の向上、飛距離の改善 |
※1:カスタムバレルメーカーの多くがこの長さを基準にしています。一部95mm表記もあります。
比較と考察のポイント:
- 長さの違い (約2.5mm増): ユニコーンエアソフトの方が長いため、適切なエアー量であれば、初速のわずかな向上が期待できます。
- 内径のタイト化 (6.08mm → 6.03mm): ユニコーンエアソフトは内径がより狭いため、BB弾との隙間が減り、気密性が向上しやすくなります。これにより、初速の安定性や集弾性の改善に寄与すると考えられます。
- テフロンコーティング: ユニコーンエアソフトのバレルにはテフロンコーティングが施されており、BB弾の摩擦抵抗を低減し、よりスムーズな加速と安定した弾道が期待できます。

上:ユニコーンエアソフト
下:ノーマル
正直、このバレルを買う予定は全くなく、本命があったのですが全く仕入れられる感じがなかったのでコレにしました。
パワーソース
弾速計測にあたりフロンだと温度変化が激しく安定性と公平感に欠けると思い、外部ソースを使用します。

付属のメーター上だと0.5MPaを少し超える圧力となります。
マガジン注入のフロンに比べるとかなり安定するのですが、それでも連射すると少し安定しません。
そこで、PISCOの固定圧レギュレーターで0.45MPaに減圧します。

計測結果


変わらん!!!
なんならノーマルの方が安定してて良い
さすがマルイさんです。
本命が手に入ったら再検証しようと思いますが、正直変わる気がしませんwww
集弾性能に関してですが、この手の銃で精密射撃をする方は殆どいないと思いますので、ノーマルと目に見える違いは無いと言っていいでしょう。
結論
【気の持ちよう】
最後まで読んでくださった方おりましたらお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。
ちょっと待った!!本命登場
と、記事を終わらせようとしたのですが、本命インナーバレルが入手出来たので加筆となります。
それがコチラ!
Maple Leaf Crazy Jet インナーバレル

こちらのバレルは私の全てのグロックに導入済みのバレルとなります。
過去記事に少しだけ商品の詳細を書いてますので読んでみて下さい^^
Maple Leaf Crazy Jet インナーバレル 97mmに関するデータを、表形式でまとめました。
項目 | 詳細 |
長さ | 97mm |
内径 | – バレル本体: 6.04mm – スリーブパイプ部 (先端): 6.12mm |
材質 | 真鍮 (ニッケルメッキ仕様) |
特徴 | – 「クレイジージェット」技術: バレル先端に独自の構造を設け、BB弾がバレルを離れる際に周囲に空気のクッションを発生させ、弾道の安定性と集弾性を向上させる。 |
計測結果

若干ですが弾速上昇しております。
インナーバレル交換
意味あるじゃん!
Maple Leaf Crazy Jet を買いましょう
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