先日同モデルの記事を上げたのですが、あまりにも適当でしたので加筆ではなく、再度あらたに書いていこうと思います!是非おつきあいください^^
目次
はじめに:伝説、再び!待望のBATON PIT-VIPER CO2GBB再販!
映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(JW4)でキアヌ・リーブス演じる主人公が使用し、瞬く間にエアガンファンの心を鷲掴みにした伝説のハンドガン、TTI PIT VIPER。その姿を忠実に再現し、CO2ガスブローバック(CO2GBB)ならではの強烈なリコイルショックで人気を博したBATON airsoft製「BT-PIT VIPER CO2GBB」が、多くのファンの熱い要望に応え、待望の再販を果たしました 。
BATON airsoftは、近年CO2GBBの分野で注目を集めるメーカーであり、このBT-PIT VIPERは同社の2011 CO2GBBシリーズの第4弾として位置づけられています 。JW4公開前から話題となり、予約が殺到したことからも、その注目度の高さがうかがえます 。
今回のレビューでは、この再販されたBATON BT-PIT VIPER CO2GBBについて、スペックや外観のディテールはもちろん、実射性能(命中精度、リコイル、燃費)、操作性、そして気になる耐久性やライバル機種との比較、カスタムの可能性に至るまで、あらゆる角度から徹底的に掘り下げていきます。単なる製品紹介に留まらず、ユーザーレビューや各種テスト結果、そしてCO2GBBならではの特性を踏まえ、購入を検討している方にとって本当に価値のある情報を提供できるよう書いていきます。特に、再販版としての特徴や変更点にも注目していきます。
BATON PIT-VIPER CO2GBB (再販版):スペック詳細と注目ポイント
まずは、この魅力的なエアガンの基本情報を確認しましょう。以下に、BATON BT-PIT VIPER CO2GBB(再販版)の主要スペックと付属品をまとめました。サイズに関しては実測となりますのでカタログとの違いがある場合があります。
項目 | スペック |
---|---|
全長 | 約 222 mm |
重量 | 約 1,147 g (マガジン・CO2ボンベ込み) |
全高 | 約 180 mm (マガジン込) |
インナーバレル長 | 95mm |
素材 | スライド:強化樹脂 /フレーム:金属 / アウターバレル:アルミ / コンペンセイター:金属 |
装弾数 | 31 + 1 発 |
使用BB弾 | 6mm BB弾 |
動力源 | CO2ガス (エアガン用 12gサイズボンベ使用) |
ホップアップ | 可変ホップアップシステム搭載 |
主要機構 | CO2 ガスブローバック / セミオート (単発) 発射のみ |
安全認証 | JASG (日本エアースポーツガン振興協同組合) 認定 |
メーカー希望小売価格 | 29,800円 (税込) (実売価格は変動あり ) |
付属品 | 2011 CO2マガジン Type-NTL、説明書&パーツリスト、保証書 |
保証 | 3ヶ月ガス漏れ無償修理保証 |
注目ポイントの詳細解説:
- JASG認定 CO2GBB: 日本国内でエアソフトガンを安全に楽しむ上で、JASG(日本エアースポーツガン振興協同組合)の認定は重要な意味を持ちます。これは、製品が改正銃刀法で定められた威力(0.98ジュール以下)に適合し、安全基準を満たしていることを示します 。ユーザーは安心して使用することができます。
- TANIO・KOBA CO2 バルブ: エアガン界の重鎮、タニオ・コバ氏が開発した特許取得済みのCO2バルブが純正採用されています 。このバルブは、CO2ガスの燃費効率を高め(低燃費)、耐久性にも優れると同時に、放出ガス圧を安定させることで初速の安定化と精度の向上に貢献します 。ランニングコストの低減にも繋がる、BATON CO2GBBシリーズの心臓部とも言える技術です 。
- 新開発 Type-NTL マガジン: PIT-VIPERの再販版における最大の進化点の一つが、この「新開発2011 CO2マガジン Type-NTL」の標準装備です 。従来のType-Nマガジン(BS-HOST等に採用 )と比較して、内部の気化室スペースが拡大されており、これによりCO2ガスが気化しにくくなる低温環境下での作動安定性が向上しています(「冷えに強くなり」) 。これは、気温の低い季節でも安定したパフォーマンスを求める日本のユーザーにとって、非常に大きなメリットと言えるでしょう。装弾数も31+1発と大容量で 、実銃のロングマガジン(21連)の外観を模しています 。ただし、このマガジンはBATON airsoftの2011 CO2GBBシリーズ専用であり、他社製品への使用は保証対象外かつ危険であるため、絶対に行わないでください 。また、推奨されるCO2カートリッジ(PUFF DINO製 )以外の使用も保証対象外となる点に注意が必要です 。
- JW4 デザインの再現: 前述の通り、外装パーツはほぼ全て新設計されており 、映画に登場するPIT VIPERの持つ独特なカスタムフィーチャーを忠実に再現しています。
外観レビュー:「あの銃」を徹底再現!質感・刻印・デザインを細部までチェック
BT-PIT VIPER CO2GBBを手に取ると、まずその存在感に圧倒されます。実銃同様の約1.1kgという重量感 は、CO2モデルならではのリアリティを高めています。全体的なデザインは、実銃カスタムメーカーであるTaran Tactical Innovations(TTI)が手掛けたPIT VIPERのアグレッシブで洗練されたスタイルを見事に捉えています 。
- スライド & コンペンセイター: 最も目を引くのは、複雑な形状のスライドと一体化したようなデザイ ンのコンペンセイターでしょう。TTIカスタム特有の深いコッキングセレーションはスライド側面だけでなく上面にも及び 、大胆なライトニングポート(肉抜き)と共に軽量化とデザイン性を両立しています 。コンペンセイターは金属製で 、銃口をターゲットに押し付けた状態でも作動を妨げないよう考慮されたデザインが特徴的です 。
スライド表面の凸部分がグロス(艶有り)仕上げとなり、マットな部分とのコントラストが強調され、より実銃に近い質感が再現されています・・・と言いたいところですが、整形時のヒケがありグロス部に安っぽさが若干残ります。 - バレル: スライドのポートから覗くアウターバレルは、実銃同様のブロンズ(またはゴールド)カラーで再現されており、黒いスライドとの対比が美しいアクセントとなっています 。
- サイト: フロントサイトは視認性の高いグリーン集光アクリルファイバータイプ 。特筆すべきは、このフロントサイトがスライドではなく、コンペンセイター(アウターバレル)側に固定されている点です 。これにより、ブローバック時にサイトが動かず、連続射撃時の照準安定性に貢献します。リアサイトは上下左右の調整が可能な金属製ですが、その取り付け基部はスライドと一体成型されており、一般的なダブテイル方式とは異なるユニークな構造です 。この設計は、サイトの取り付け位置を低く抑え、強度向上にも寄与すると考えられます 。
- フレーム & グリップ: フレーム下部には20mmアンダーレイルが装備され、ウェポンライトなどのアクセサリー装着に対応します 。ただし、一部のレビューではレイル幅がタイトで、特定のライトの取り付けに調整が必要な場合があると指摘されています 。グリップパネルにはスティップリング風の細かいテクスチャーが施され、確実なグリッピングをサポートします 。大型化されたマガジンキャッチボタン や、スムーズなマガジンチェンジを助けるマグウェル もカスタムガンならではの装備です。
- 刻印: 標準モデルでは、スライドやフレームにTTIやPIT VIPERの刻印は施されていません 。これはコストやライセンスの問題と考えられますが、一部のユーザーからは残念がる声も聞かれます 。しかし、BATON直営店や一部ショップでは、リアルなレーザー刻印を追加するカスタムサービスが提供されており 、より劇中に近い外観を求めるファンにとっては嬉しい選択肢となっています。刻印の有無で銃全体の雰囲気は大きく変わるため、こだわる方は刻印サービスを検討する価値があるでしょう 。
全体として甘めに見てですが、BT-PIT VIPERの外観は、映画ファンやカスタムガン好きの所有欲を強く満たす、非常に高い再現度と完成度を誇ります。まさに「JW4のアレ」 という呼び名にふさわしい仕上がりと言えるでしょう。
実射性能レビュー:CO2パワー炸裂!命中精度・強烈リコイル・燃費を徹底検証
BT-PIT VIPERの真価は、その外観だけでなく、CO2GBBならではのパワフルな実射性能にあります。ここでは、実射テストやユーザーレビューに基づき、その性能を詳しく見ていきましょう。
- CO2ならではの体験: まず理解しておくべきは、CO2ガスガンは従来のHFC134aガスガンとは一線を画す作動感を持つということです。特に、気温の低い状況でも安定したパワーを発揮しやすく 、そして何より、鋭く重いリコイルショックと大きな作動音が特徴です 。この「撃っている感」の強さこそ、CO2GBBの最大の魅力と言えるでしょう。
- リコイル (リコイル): BT-PIT VIPERのリコイルは、まさに「強烈」の一言。「ガツンとくるキック」 、「ドン!!とくる俊敏で重いリコイルショック」 、「凄まじいリコイル」 といった表現がレビューで多用されており、そのパワーを物語っています。連射すると手首が痛くなるほど との報告もあり、撃つ楽しさを存分に味わえる反面、相応の衝撃があることを覚悟しておく必要があります。他のCO2GBBと比較しても、トップクラスの鋭さと重さを持っていると言えるでしょう 。
- 命中精度 (命中精度): CO2のパワーは単なる反動だけでなく、弾道性能にも影響します。複数のレビューで、BT-PIT VIPERの命中精度は良好であると報告されています 。具体的なテストデータとしては、5mで3.6cm、10mで9cm x 4cmのプレート、20mで15cmプレートに高確率でヒットするという結果が得られています 。弾道もフラットで素直との評価が多く 、可変ホップアップシステム の調整次第で、様々な距離に対応可能です。ただし、箱出し状態ではホップが強めにかかっている可能性も指摘されており 、使用するBB弾に合わせて適切な調整が必要です。
一部レビューでバレルの固定が甘くグルーピングが悪いというレビューもあり、バレル固定しましたが、正直してもしなくても安定しておりました。もしかしたら海外モデルあるあるの個体差があると思われます。
- マズルベロシティ (初速): CO2ガスガンはパワーソースの特性上、初速が高めに出る傾向がありますが、BT-PIT VIPERはJASG認証を受けており、日本の法規制(0.98J以下)をクリアしています 。実測値としては、0.2g BB弾使用時に80m/s台前半から後半程度で推移することが多いようです。(ただし、CO2ガスは気温やマガジンの温度、連射頻度によって圧力が変動しやすく、初速にバラつきが出る可能性も指摘されており、下記データ上だとバラつきまくってます。特に新品状態や慣らし運転中は初速が不安定になるケースも報告されており、そのまんまの結果となってます
定期的な弾速チェックは必須と言えるでしょう。 - ガス効率 (燃費): CO2カートリッジ1本(12g)で何発撃てるかは、ユーザーにとって重要なポイントです。BT-PIT VIPERに関しては、メーカー公称や一部レビューでは約120発という驚異的な燃費が報告されています 。一方で、約100発 や、より少ない約66発 という実射結果も存在します。この差は、CO2ガスの特性に起因すると考えられます。気温が高い環境でゆっくり撃てば燃費は伸びますが、気温が低い状況や、連射を多用するとマガジンが冷えて気化効率が落ち、燃費は悪化します。したがって、公称値の120発はあくまで最適な条件下での目安と捉え、実際の使用状況では100発前後、あるいはそれ以下になる可能性も考慮しておくべきでしょう。Type-NTLマガジン は、この冷えに対する耐性を向上させることで、より安定した燃費性能を目指した設計と言えます。
因みに私の物は110前後が実用範囲のようです。
- ハンドリング & エルゴノミクス: トリガープルは、遊びが少なくキレが良いと評価されています 。これにより、強烈なリコイルの中でも比較的シャープな射撃が可能です。トリガー自体の重さはそれなりにあると感じるユーザーもいるようです 。ただ、遊びが無くてもガタがある物があるようです。気になる方はトリガー上部にアルミシールを貼っている方もいます。
サイトピクチャーは、集光フロントサイトのおかげで非常にクリアで見やすいと好評です 。グリップは確かなホールド感を提供しますが 、銃本体の重量(約1.1kg)と相まって、手が小さいユーザーにはやや大きく、扱いにくく感じる可能性も指摘されています 。 - 作動音 (作動音): CO2GBB特有の甲高い破裂音、あるいは「爆発音のよう」 と表現される大きな作動音が特徴です。静音性が求められる場面には不向きですが、この迫力あるサウンドもまた、PIT-VIPERの魅力の一つと言えるでしょう。
総じて、BT-PIT VIPERは、CO2パワーを存分に活かした強烈なリコイルと良好な命中精度を両立した、撃っていて非常に楽しいエアガンです。ただし、そのパワー故の特性(初速変動、燃費変動、作動音)を理解した上で運用する必要があります。
内部メカと耐久性:心臓部を探る!信頼性、弱点、そしてノンリコイルの是非
BT-PIT VIPERのパフォーマンスを支える内部メカニズムと、ユーザーが最も気にするであろう耐久性について掘り下げてみましょう。
- コアメカニズム: 心臓部には、前述の通りタニオ・コバCO2バルブ が搭載され、安定したガス供給と耐久性に貢献しています。そして、Type-NTLマガジン が、特に低温環境下での作動安定性を高める役割を担っています。
- ノンリコイルバレル解説: BT-PIT VIPERの内部構造における大きな特徴の一つが、「ノンリコイルアウターバレル」の採用です 。これは、実銃の1911/2011系ピストルに見られる、発射時にバレル後部が下降するショートリコイルアクションをオミットし、アウターバレルをフレーム(またはシャーシ)に固定する方式です 。
- メリット: アウターバレルが固定されることで、発射時のブレが抑制され、命中精度や集弾性の向上に繋がる可能性があります 。また、可動部が減ることで、CO2の高いガス圧下での作動信頼性が向上することも期待できます。
- デメリット: 最大のデメリットは、実銃のメカニズムとは異なるため、リアリティに欠ける点です 。特に、スライドを引いた際のバレルの動きや、ホールドオープン時の見た目にこだわるユーザーにとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
- 設計思想の考察: このノンリコイル仕様の採用は、BATON airsoftが単なるリアルなレプリカを目指すだけでなく、CO2パワーを活かした「高性能なエアソフトガン」としての側面を重視していることの表れと考えられます。強烈なブローバックによるストレスがかかる中で、作動の確実性と射撃精度を優先した、ある種の割り切りと言えるでしょう。リアリティよりも実射性能を重視するプレイヤーにとっては合理的な選択ですが、メカニズムの再現性を最優先するユーザーにとっては評価が分かれるポイントです。
- 耐久性に関する懸念 (耐久性の懸念): CO2ガスガンは、その高い作動圧ゆえに内部パーツへの負荷が大きく、耐久性が常に課題となります。BT-PIT VIPERに関しても、一部のユーザーから懸念の声が上がっています。
- 報告されている問題点: 特に指摘が多いのが、ハンマー周りのトラブルです。レビューサイトやブログでは、「普通に撃っているだけでハンマーが折れた」 、「100発程度で内部パーツが摩耗し、金属粉が出た」 、「ハンマーが後退時にシリンダー(ブリーチ)の一部に接触し、摩耗や破損を引き起こす可能性がある」 といった報告が見られます。これらの報告は、個体差や使用状況による可能性もありますが、CO2の強力なリコイルがハンマーメカニズムに大きな負担をかけている可能性を示唆しています。
- メーカー側の見解と対策: 一方で、メーカー(BATON airsoft / Gunsmith BATON)は、開発段階でハンマー形状の強度テストを行い、問題ないことを確認しているとしています 。また、同社のCO2GBBシリーズでは、スライドストップノッチ(スライドの切り欠き)の摩耗を防ぐために、金属製のインサートや、ブリーチ側でスライドストップレバーを受ける構造を採用するなど、耐久性向上のための工夫が凝らされています 。信頼性の高いタニオ・コババルブの採用 も、長期的な耐久性を見据えたものと言えるでしょう。
- 総合的な評価: これらの情報を総合すると、設計上は耐久性向上のための配慮がなされているものの、CO2の高い作動圧力が、特にハンマー周辺などの高負荷箇所において、依然としてウィークポイントとなる可能性がある、と考えるのが妥当でしょう。これはPIT-VIPERに限らず、多くのCO2GBBに共通する課題とも言えます。購入を検討する際は、この潜在的なリスクを認識し、メーカー保証の存在を念頭に置くことが重要です。
- 報告されている問題点: 特に指摘が多いのが、ハンマー周りのトラブルです。レビューサイトやブログでは、「普通に撃っているだけでハンマーが折れた」 、「100発程度で内部パーツが摩耗し、金属粉が出た」 、「ハンマーが後退時にシリンダー(ブリーチ)の一部に接触し、摩耗や破損を引き起こす可能性がある」 といった報告が見られます。これらの報告は、個体差や使用状況による可能性もありますが、CO2の強力なリコイルがハンマーメカニズムに大きな負担をかけている可能性を示唆しています。
- メンテナンスと保証: BT-PIT VIPERには、購入から3ヶ月間のガス漏れ無償修理保証が付帯しています 。ガス漏れはCO2マガジンで比較的起こりやすいトラブルの一つであり 、この保証はユーザーにとって心強いサポートとなります。保証を受けるため、また、製品の性能を維持するためにも、メーカー指定のPUFF DINO製CO2カートリッジを使用することが強く推奨されます 。前述の摩耗報告 を考慮すると、定期的な内部のクリーニングや適切な注油といったメンテナンスも、製品寿命を延ばすためには重要と考えられます。スペアパーツはGunsmith BATONを通じて入手可能です 。
メリット・デメリット総括:BATON PIT-VIPER (再販版) の長所と短所
これまでのレビュー内容を踏まえ、BATON BT-PIT VIPER CO2GBB(再販版)の主なメリットとデメリットをまとめます。
メリット (長所):
- 圧倒的なリコイルと作動音: CO2ならではの強烈なブローバックと迫力あるサウンドは、撃つ楽しさを最大限に引き出します 。
- ジョン・ウィック4の象徴的なデザイン再現度: 映画ファン垂涎の、TTI PIT VIPERのディテールを忠実に再現した外観 。
- CO2による冬場でも安定した作動性: 低温環境下でもHFC134aガスガンより安定したパフォーマンスを発揮 。
- 良好な命中精度 (特に近~中距離): 適切なホップ調整を行えば、高いレベルの命中精度が期待できます 。
- Type-NTLマガジンによる改善された性能: 新開発マガジンにより、特に低温時の作動安定性やガス効率の向上が期待されます 。
- JASG認定による安全性: 日本国内の法規制に適合し、安全基準を満たしている安心感 。
デメリット (短所):
- 報告されている耐久性の懸念 (特にハンマー周り): 一部ユーザーからハンマー破損や内部摩耗の報告があり、長期的な耐久性には注意が必要です 。
- ノンリコイルバレルによるリアリティの欠如: 実銃のショートリコイルアクションが再現されておらず、メカニズムのリアリティを求めるユーザーには不満点となる可能性があります 。
- 標準での刻印なし: スライドやフレームにTTI等の刻印が標準で入っていないため、別途カスタムが必要になる場合があります 。
- CO2ランニングコストと専用ボンベ指定: CO2カートリッジのコストがかかり、保証維持のためには指定ブランドの使用が推奨されます 。
- 重量があり、手が小さいと扱いにくい可能性: 約1.1kgという重量は、人によっては重く感じ、扱いにくさに繋がる可能性があります 。
- ガス効率の変動が大きい: CO2の特性上、気温や使用状況によって燃費が大きく変動します。
ライバル比較:PIT-VIPER vs 東京マルイ ハイキャパD.O.R vs BATON BS-HOST
BT-PIT VIPERの購入を検討する上で、他の人気機種との比較は欠かせません。ここでは、特に比較対象となりやすい2機種、東京マルイ ハイキャパ D.O.R.(HFC134aガスブローバックの代表格、光学サイト対応)と、同じBATON製のCO2GBBであるBS-HOST(光学サイト対応、旧型マガジン採用)を取り上げ、それぞれの特徴を比較してみましょう。
主要スペック・特徴比較表:
項目 | BATON PIT-VIPER (再販版) | 東京マルイ ハイキャパ D.O.R. | BATON BS-HOST |
---|---|---|---|
パワーソース | CO2 | HFC134aガス (またはノンフロンガス) | CO2 |
リコイル強度 | 非常に強い | 標準的 | 非常に強い |
光学サイト対応 | 不可 (標準) | 可能 (ダイレクトマウント) | 可能 (ダイレクトマウント) |
バレル仕様 | ノンリコイル | ショートリコイル | ノンリコイル (※Hyperdourakuレビューより) |
マガジン/装弾数 | Type-NTL / 31+1発 | 標準 / 31+1発 | Type-N / 29(28)発 |
参考価格帯 | 約 30,000円前後 | 約 14,000円~16,000円 | 約 22,000円~24,000円 |
主な長所 | JW4デザイン、最強クラスのリコイル、低温性能 | 高い信頼性・精度、豊富なカスタムパーツ、価格 | 強烈なリコイル、低温性能、光学サイト対応、価格 |
主な短所 | 耐久性懸念、ノンリコイル、高価格、刻印なし | リコイル弱い、低温性能低い | 耐久性懸念(初期ロット?)、ホップ不安定報告あり |
詳細分析:
- リコイル vs 安定性: 最も大きな違いはリコイルの強さです。PIT-VIPERとBS-HOSTはCO2ならではの強烈なキック力を誇り 、撃ちごたえを求めるユーザーには最適です。一方、マルイ D.O.R.のリコイルは穏やかですが、その分、連射時の銃口のブレは少なく、安定した射撃や高い命中精度を維持しやすいという利点があります 。
- 光学サイト: 近年のトレンドであるドットサイトの使用を前提とするなら、標準でダイレクトマウントに対応しているD.O.R.とBS-HOSTに軍配が上がります 。PIT-VIPERでドットサイトを使用するには、現状では対応するマウントパーツを探すか、カスタム加工が必要となるでしょう。
- リアリズム: メカニズムの再現性という点では、実銃同様のショートリコイルアクションを持つD.O.R. が、ノンリコイル仕様のPIT-VIPERとBS-HOST よりもリアルです。
- 信頼性/耐久性: 東京マルイ製品は、箱出しでの作動安定性や耐久性に定評があります 。一方、BATONのCO2モデルは、そのパワー故に耐久性に関する懸念が指摘されており 、特に初期ロットのBS-HOSTではホップアップの安定性に関する問題も報告されていました 。PIT-VIPERの再販版がどの程度改善されているかは、今後の長期的な使用レポートが待たれるところです。
- 低温環境: 冬場のサバイバルゲームなど、気温が低い状況ではCO2パワーソースを持つPIT-VIPERとBS-HOSTが圧倒的に有利です 。HFC134aガスを使用するD.O.R.は、低温下では作動が不安定になったり、パワーが低下したりする可能性があります。
- アフターマーケット/マガジン: ハイキャパシリーズはカスタムパーツが非常に豊富で 、D.O.R.もその恩恵を受けられます。BATONのCO2モデル用パーツは、マルイほど多くはないものの、徐々に増えつつあります。マガジンに関しては、PIT-VIPERは最新のType-NTL 、BS-HOSTはType-N が標準ですが、互換性があり、BS-HOSTのマガジンもPIT-VIPERで使用可能です 。
- 価格: 価格面では、D.O.R.が最も手頃で、次いでBS-HOST、PIT-VIPERが最も高価となります 。
これらの比較から、自身のプレイスタイル、重視するポイント(リコイル、リアリズム、信頼性、価格、光学サイトの有無など)、そして使用環境(特に気温)を考慮して、最適なモデルを選択することが重要です。
カスタムとアクセサリー:PIT-VIPERを自分仕様に!拡張性と注意点
BT-PIT VIPERは、そのままでも完成度の高いモデルですが、さらに個性を加えたり、運用しやすくしたりするためのカスタムやアクセサリーについて見ていきましょう。
- 刻印カスタム: 前述の通り、標準では刻印がないため、最もポピュラーなカスタムはレーザー刻印の追加でしょう 。これにより、外観のリアリティを格段に向上させることができます。
- マガジン: 標準のType-NTLマガジンは高性能ですが、予備マガジンとして、あるいはフラットな外観を好む場合に、互換性のあるBS-HOST用Type-Nマガジンを使用することも可能です 。もちろん、スペアのType-NTLマガジンも販売されています 。
- ライト/レーザー: フレーム下部のアンダーレイルには、各種ウェポンライトやレーザーデバイスを装着可能です。ただし、一部のQD(クイックデタッチ)タイプのライトでは、レイル幅との相性で取り付けがタイトになる場合があるとの報告 もあるため、購入前に適合を確認することをおすすめします。
- サイト: フロントサイト、リアサイト共に独自のマウント方式を採用しているため、一般的なハイキャパ用のアフターマーケットサイトへの交換は困難と考えられます。光学サイトの搭載も、標準では考慮されていません。
- 内部カスタム: CO2ガスガンは内部パーツへの負荷が高いため、安易な内部カスタムは推奨されません。特に、初速や作動に関わるパーツの変更は、性能低下や破損、最悪の場合は法規制値を超える危険性も伴います。一部ユーザーによるハンマーの研磨(私は施工済) などが行われている例もありますが、基本的にはノーマルでの使用を前提とし、不具合が発生した場合はメーカー(Gunsmith BATON )に相談するのが賢明です。純正のスペアパーツは入手可能です 。
- ホルスター: ハイキャパ系のホルスターの多くが使用可能と考えられますが、PIT-VIPER特有の大型コンペンセイターが干渉しないか、事前に確認が必要です。関連モデルのSand Viperでは、特定のホルスターとの適合性が確認されています 。
全体的に、PIT-VIPERのカスタムは外観(刻印)やアクセサリー(ライト、マガジン)が中心となり、内部やサイト周りのカスタム自由度は、他のハイキャパモデルに比べてかなり低いと言えるでしょう。
総評:BATON PIT-VIPER CO2GBB (再販版) は「買い」か?
さて、長々とレビューしてきましたが、結論としてBATON BT-PIT VIPER CO2GBB(再販版)は「買い」なのでしょうか?
総括: BT-PIT VIPERは、映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のファンにとっては、その象徴的なデザインを忠実に再現した、まさに待望のモデルです。CO2パワーソースによる強烈なリコイルショックと迫力ある作動音は、他のガスガンでは味わえない爽快感を提供し、良好な命中精度も兼ね備えています。特に、新開発のType-NTLマガジンは、CO2GBBの弱点であった低温時の作動安定性を改善しており、実用性を高めています。
しかし、その一方で、一部ユーザーから報告されている耐久性(特にハンマー周り)の問題は無視できません。CO2の高い作動圧力が、長期的な信頼性に影を落とす可能性は否定できません。また、ノンリコイルバレル仕様は、作動の安定性と引き換えにメカニズムのリアリティを犠牲にしています。標準で刻印がない点や、比較的高価である点も考慮すべきでしょう。
推奨するユーザー:
- ジョン・ウィック(JW4)の熱烈なファン: あのPIT VIPERを自分の手にしたい、という強い思いを持つ方。外観の再現度は非常に高いです。
- 最大限のリコイルを求めるプレイヤー: ガスガンで最も強烈な撃ち味を体験したい方。
- 冬場でもガスガンを使いたいプレイヤー: 低温環境下での安定した作動性を重視する方。
- 耐久性のリスクを理解し、メンテナンスを厭わない方: CO2GBBの特性と潜在的なリスクを理解し、保証期間やメーカーサポートを活用できる方。
再考を推奨するユーザー:
- 箱出しでの絶対的な信頼性と長寿命を最優先する方: 東京マルイ製品など、実績のあるHFC134aガスガンの方が安心かもしれません 。
- メカニズムのリアリティを重視する方: ノンリコイルバレルが許容できない方 。
- 予算を抑えたい方: より安価な選択肢(マルイ D.O.R.やBATON BS-HOSTなど)が存在します 。
- 簡単に光学サイトを搭載したい方: D.O.R.やBS-HOSTなど、標準で対応しているモデルを検討すべきです 。
最終的な考え: BATON BT-PIT VIPER CO2GBBは、ポップカルチャーのアイコンとしての魅力と、CO2GBBならではのハイパフォーマンスを融合させた、非常にユニークな立ち位置にあるエアソフトガンです。潜在的なリスク(耐久性)を抱えつつも、それを補って余りある強烈な個性と魅力を持っています。JASG認証 や3ヶ月のガス漏れ保証 は、そのリスクを必ずしも軽減してくれる要素とは言えませんが、某Lはほぼ対応してくれないのでそれよりはマシ。最終的には、個々のユーザーが何を最も重視するかによって、その評価は大きく変わってきます。
今回の記事を書くにあたり、色々な方のブログ等読み漁りました。中には驚くほど口悪く言われる方も散見しましたが、そこまで酷いとも思いません。もっと酷いのも・・・
これは酷かった・・・
最終的に私のお勧めはサンドバイパーですw
この記事が、あなたのBATON PIT-VIPER購入検討の一助となれば幸いです。
ご意見・ご感想をお待ちしております! 実際にPIT-VIPERをお持ちの方、購入を検討されている方、ぜひコメント欄でご意見やご質問をお聞かせください。この記事をSNSでシェアしていただけると嬉しいです。

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